密度の濃い3日間でした〜!

2011年3月19日から21日まで、熱く真剣な3日間でした!

3月11日に起きた大きな地震津波、そして放射能の恐怖。
そんななか、今年のこども映画教室を開催すべきか悩みました。
今年の特別講師の冨樫森監督や21世紀美術館の近藤さん、金沢スタッフとも何度も相談しました。
結局、金沢はほとんど余震もないこと、放射能の危険性もぐっと低いこと、世の中の空気としてもさほどに自粛ムードがないこと、そして何より、こんなときだからこそ、こどもの笑い声があふれる映画教室をやろう、自分たちのやるべきことをやろう、と危機管理をしっかりすることで開催を決めました。

3日間、書き始めたらどれだけ書いても書き足りないほど、多くのシーンが残っています。そのなかで、特に監督のお話として印象的だったことは:

映画教室の初日、はじめて子供たちの前に立った冨樫監督はこういうお話をされました。
「今回の大震災を経験して『もし、世界の終わりが明日だとしても、ぼくは今日、林檎の種を蒔くだろう。』ということばを思い出しました。今日、僕は“映画の種を蒔きにきました”」と。

これは、ルーマニア人、コンスタンティン・ゲオルギウの小説『Vingt-Cinquieme Heure』=25時、の中の言葉のようです。

そして、そのあと、お昼をたべてから四高記念館で、映画のお話。
「震災でレスキュー隊が人々を救出しているのをみて、こういう人生もあったんだなぁと僕が言ったら、奥さんが何を言ってるの?映画はいったいどれだけ多くの人を救えると思ってるの?って言われたんだ」
「映画は人を救える、変えることができるんだよ」
監督からの言葉は、こどもたちの心にどんなふうに残っていくのかな。
きっと言葉自体の意味がわからなくても、記憶に残らなくても、冨樫監督の真剣な顔、あの場の空気はきっときっと心に残っていると思います。本気で自分に向き合ってくれた大人、として。

今回は
「誰かが(複数でも)、誰かに(何かに)出会って・・・・・」
というお話のドラマにすること。
そして、
「伝える」ことを意識する。伝わるように考えて撮ること。

が決まりごとでした。

そして、中学生チームを初めて作ってみました。これは挑戦でしたが、いやぁ見事でした。さすがに中学生、全員が映画教室卒業生。すべてを自分たちでやり遂げたその力は素晴らしいです。誇らしいです!

どのチームも伝えたいことを映像で伝えることができていました。
すごいなぁと感心してばかりです。

今回は未曾有の震災から1週間ちょっとしかたってない中での映画教室で、私はこれまでにない緊張を感じていました。
とにかく無事に終わってほっとしています。

こどもたち、こどもたちを預けてくださった保護者のみなさん、
冨樫監督、宮田さん、岡本さん、シネモンドスタッフ、ボランティアスタッフのみなさん、美術館スタッフのみなさんありがとうございました!
どひ